2024年5月

5月は感情が大きく動くことや考えさせられるようなことが多くて疲れていた。ややダウナーだったが人生に起伏はつきものだと思うので適当にやり過ごす🙆‍♀️

6月は余裕を持ったスケジュールで楽しい予定が入ってるのでアッパーになる見込みです。

 

5月2日

新代田FEVERでLEO今井自主企画ワンマンライブ『TOKYO LIGHTS PARTY』を鑑賞。

の前にエトセトラブックスに寄った。

前々から行きたいと思っており初めて来店。ライブ前のため急いで店を回るが興味深い本しか無いので何を買うかかなり迷った。『エトセトラ』男性学特集、『フェミニズムはみんなのもの』、『政治的な手芸部』の2023年版のZINEを購入。お店の人が「今度店内で政治的な手芸部の展示やるのでぜひ来てください」と教えてくれた。またゆっくり見に来たい。

LEO今井のライブは二部構成で、一部はカラオケパーティーだと告知されていた。「一部カラオケパーティーって何??」と思っていたが、生演奏によるカバー(モノマネ)大会だった。当初はカラオケの機械を持ち込む予定だったらしい。それはそれで見てみたい。
シンディ・ローパーのGirls Just Want to Have Fun、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのCan't Stop(LEO今井曰く「レッチリ」ではなく「ホッチリ」らしい)、スマッシング・パンプキンズの1979などを披露していた。マジでコアなファンしか面白くなかったんじゃないか(客層の8割がマジでコアそうなLEOギャルだったのでそこそこ盛り上がっていた)。
岡村夏彦氏が『また逢う日まで』を歌おうとしていたがLEO今井が「この曲わからない」とか言ってさえぎっていて笑った。一部は30分ほどで終了した。余興…??

一部は全員白シャツ蝶ネクタイを使ったスタイリングだったのだが、オールホワイトでキメた白根賢一さんがスタイリッシュ過ぎてまぶしかった。来週もGREAT3のライブで白根さんを観られるのでありがたいことこの上ない。

二部は一部の衝撃に引っ張られてしまい正直ほぼ記憶がないが、セットリストは昨年のツアーからほぼ変わっていないようで、安定感と勢いが両立した演奏で良かった気がする、たしか。アンコールの際、いつの間にかLEO今井が歌詞を覚えたらしく、『また逢う日まで』を披露して終了した。カオスで自由なライブだった。

仕事で自分の好きなことをしている人を見ると癒されますね。ロバート秋山冠番組とか藤井隆の音楽活動とか。同じようなバイブスをLEO今井からも感じて元気になりました。

 

5月3日、4日

ゴールデンウィーク、父と妹と伊豆下田旅行へ。父と同居しているのだが、まもなく定年を迎え地元に帰る予定なので、親子の思い出作りに精を出している。以前父が妹に「パパには時間が無い」と言っていたらしい。哀愁。

下田への移動時間が長く暇だったので、新幹線では本を読んだり、それぞれハマっている芸人(父タブレット純、妹1マユリカ、妹2男性ブランコ私見取り図ディスカバリーチャンネル童貞企画)の話をしたりして時間をつぶす。

下田はいい意味で洗練されていないというか、作為的すぎない素朴な感じのお店が多く、東京でゼイリブの世界観のごとく資本主義に翻弄されている身からするとストレスが少なくリフレッシュできた。それに海もきれい。土産物がペリー来航にちなんだモチーフのほぼ一択で勝負していて笑った。

そばを食べたり街を散策したり海を眺めたり、一生Love Me Doがかかってる雰囲気のいいカフェで休憩したりとのんびり過ごした。

強いメッセージ性を持つなんでも屋さん。

海。

写真を撮る私。

私に撮られた写真。

 

数日前にラヴィットのかが屋の絵になる写真旅でロケをしていた日新堂菓子店にも立ち寄った。「三島由紀夫の愛したマドレーヌ」というキャッチコピーが付いており、店内には三島由紀夫の写真がたくさん飾ってあるのだが、三島由紀夫についてあまり詳しくないので「ほ~」みたいな控えめなリアクションしかできなかった。早々にお菓子に照準を合わせ何を何個買うか真剣に悩む。会計しようとした際に細野晴臣横尾忠則と店主の方が映った写真を見つけ、父と一緒に盛り上がった。

宿に着くと夕食の時間まで爆睡。地酒飲み放題付き夕食ビュッフェで飲み比べと海鮮を楽しみLIFE!を観て爆睡。

翌日、朝食ビュッフェで欲張る。妹たちから皿への盛り方がうまいと褒められ調子に乗る。実際は大差ない。

ロープウェイで寝姿山を登ったら山頂で「素晴らしい一日になりそう。そう思わない?」と話しているご婦人が居て良さがあった。

「迷路」とか書いてると人生のメタファーかと思う。

 

ランチで入った黒船屋、いい定食屋さんだった。刺身に油がのりすぎていた。

店員さんが全員妙齢~中年女性だったのだが、チャキチャキの極みで楽しそうだった。妹1がシソンヌの『うちの息子、実は』を引き合いに出して「やっぱり明るいのが一番」と言っていて笑った。このネタ無職の時観て救われたのでお勧めです。

暑かったのでGelateria Amoreというお店に寄ってジェラートを食べる。ハイビスカスを使ったピンクフラミンゴというフレーバーと、ニューサマーオレンジフロマージュをミックスしたものの2種を購入。紅白でかわいい。

伊豆ではニューサマーオレンジを推してるらしく、お土産屋さんなどで何度も名前を見かけいつしか心惹かれる存在になっていた。派手な甘さとかはないのだが、ひたすら爽やかで夏らしい味わい。暑い日差しの中でジェラートをほおばりながら完全体になった。東京へ帰る。

バル マルシェ コダマ エキュート品川店でコダマの肉オールスター(シャルキュトリーの詰め合わせ)を購入して帰宅。絶対に一人で食べる量ではないのだが爆食いしたい気分だったので食べきる。油分が多すぎてかなりお腹が緩くなった。良いゴールデンウィークでした。

 

スマホにメモしていた妹たちとの旅行中の会話がくだらなかったので供養します。

「クレープの人生って楽しそう。クレープになったら何入れてほしい?」「プリン入ってたらいいな。カスタードクリームちょっと入れてほしい。」「私イチゴとバナナとチョコソース」

ヤーレンズオールナイトニッポンは途中だけ聞いたら面白さ半減、大きな流れがあるから。ヤーレンズオールナイトニッポン大河ドラマ

「バーベキューやりたいけど準備めんどくさいよね」「外で肉が食べたいだけ。風浴びながら肉食いたいだけ。」「風目的。結局バーベキューって風モク」

 

5月8日

伊勢丹ラニュイ パルファンと菊地成孔のコラボ香水『とても清らかで淫らな声』を試し嗅ぎさせてもらって「はあ、これがとても清らかで淫らな声か」と納得したようなしてないような気持ちになりながら、ROCK CAFE LOFTに移動。鳥居ゼミ音献購読の第七回に参加した。

鳥居真道ゼミは2006年結成 4人組ロックバンド「トリプルファイヤー」のギタリストであり、音楽評論家顔負けの知識を持つ鳥居真道氏が毎回一枚のアルバム(LP)を取り上げ、その一枚にフォーカスし、大学教授さながら講義を行ないつつ、アルバム全曲をノーカットで一曲づつ参加者全員で試聴するというたいへんマニアックなイベントです。(こちらから引用)

以前、Talking Headsの『Remain in Light』がテーマの回に出席したことがあって、とても興味深かった。その時はアフロビートについて散々解説した挙句「Remain in Lightはそんなにアフロビートじゃない」みたいな結論だった。衝撃。

第七回のテーマは大瀧詠一『A Long Vacation』。私も大好きな名盤。予習用として鳥居氏が作成したプレイリストを聞いたらゴールデンウィークの陽気にぴったりで素晴らしかった。

前半ではロンバケまでの大滝詠一の歩みや、フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドロンバケで実践されたウォール・オブ・サウンドの違いなどを解説していた。

リリースが大滝氏33歳の時と聞いて驚いた。鳥居氏は30歳の時「大滝がロンバケ出した年じゃないからまだ大丈夫」とか言ってたらしい。じゃあ私もまだ大丈夫。

ロンバケは「エコーチェンバー」という自然のリバーブを作って録音するアナログなテクニックを使っていて、一発で録音されており、鳥居氏はこのレコーディング方法がロンバケの一番面白いところなのだと語っていた。

休憩を挟み、アルバム全曲の視聴に移る。『君は天然色』はテイク1が採用されたと聞くと気迫に圧倒される。改めてドラムのかっこよさを強く感じた。『Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba 物語』はベースがすごい。レコードの内側は歪みやすいのでロックな曲が良いとされていると聞いて興味深かった。『雨のウェンズデイ』『恋するカレン』が好きなのだが、アナログで聴くと良すぎて感動してしまった。美し〜

アルバムを聴き終わった後、鳥居氏が「アナログで聴くとデータで聴くより禍々しく、爽やかなアルバムという体で進めていたけど印象が変わった。ジャケットのイメージが鮮烈で洗練された印象があるが、演奏には生々しさや人間味がある」と話していて共感できた。

「『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のディカプリオばりの声芸」「大滝詠一は演技派パフォーマー」「大滝は知識で構築する印象があるが、このアルバムは自分の声の身体性に着地している」とも語っていて、心技体揃った素晴らしいアルバムであることを改めて実感した。

ところでROCK CAFE LOFTのカレーは素晴らしく美味しいのでぜひ皆さん食べてください。スパイシーポークカレーと鯖と黒ゴマのキーマカレーの合いがけを注文したんだけど、下手なカレー専門店より美味いなと思う。しっかり辛くて美味い。ポークカレーの味が特に好きだった。そして付け合わせの多さが白眉。オレンジや梨も使っていてオシャレ。ぜひ。

 

5月11日

Veats Shibuyaで行われたGREAT3のワンマンライブ『ナツマチ』へ。

整理番号が遅かったのでほぼ最後列で、ちょうど全員の姿が見えないような位置(みんなあんなに身長デカいのに…)で鑑賞したが、客席の盛り上がりも感じられて良かった。

開演前に片寄明人の息子の通称王子くんが2階席から手を伸ばし天井のミラーボールに触ろうとしているのが見えてかわいかった。

昨年9月より渋めのセットリストというか意外な曲も演奏していて良かった。『I Believe In You』かっこよかった。『ナツマチ』の「憶えているかい 1999年 夏に世界が終わるなんて話 君を抱いていられないのなら あと2回しか夏が来なくてもいい」という歌詞はこの曲ができたのが1997年だから「あと2回」ってことらしい。「あと2回は許容するんかい」と思ってたので納得した。

客席に長く応援してるだろうファンが多くて心あったまった。演者と観客双方から愛情感じる。新曲も作っているらしく、リリースが楽しみ。

ライブ終わりに行ったタイ料理屋の外観が異国情緒溢れていて良かったです。バンコクナイトというお店。味は普通に美味しいです。

 

5月12日

「ゆがんだアリエルを観に行きませんか?」の声かけにより、森アーツセンターギャラリーで開催していた『MUCA展』に大学時代の友人と3人で行った。

MUCAはドイツのアーバンアート(グラフィティとか街に描かれたり展示されたりしてる作品)の美術館らしい。アーバンアートは詳しくなくて、バンクシーとカウズくらいしか知らない。しかも、なんかそういうの好きな人って「バンクシーも嗜んじゃう自分」が好きなだけであって、あんまりアート愛が無さそうで苦手だなって思ってた(ド偏見)。けど、今回の展示を見てイメージがかなり変わった。アーバンアートはアティチュードが骨太でかなり好きだなと思った。

特にシェパード・フェアリーの権威に批判的なメッセージ性が良かった。インタビュー映像でアーバンアートについて「コストをかけずに誰でもできる」みたいなことを言っていて、特別な教育や資本力がなくても自己表現できるって魅力的だなと思った。

スウーンの作品の「蝉のように醜く美しく生まれ変わる」というコンセプトもかっこよかった。

バンクシーはコンセプトがひときわしっかりしているしアイデアが突出していて、なぜ評価されているか理解できた気がした。

全体的にDIY精神とか批評精神、反骨精神が感じられて楽しかった。有名作品も多いのに、午前中だからかとても空いていて観やすかった。良い展示だった。

鑑賞後にカフェでランチをした。

主に友人のファックな職場の愚痴を「それは酷いね」と聞いたりして過ごした。私は仕事柄、日頃から業務効率化の情報について目にすることが多いので、友人のファックな職場の話を聞いた時「え、そんなに生産性の低い業務がこの世にあるのか…??」とびっくりしがちなのだが、たぶん私が世間知らずなだけで世の中の8割くらいはブルシットジョブなのかもしれない。まあ別に自分も世に必要な仕事をしている自覚はない。金を生み出すために金を使わせているビジネス、みたいな感覚。早く労働という概念をぶち壊したい。人間が労働をしなきゃいけないなんて幻想に違いないのだから。

一緒に行った二人は誕生日会にも来てくれたのだが、その際はプレゼントを持ってこないでねと伝えていたのもあって改めてお祝いしたいと思ってくれたようで、バースデープレートと花束を用意してくれた。こんなことをしてもらったことはほぼないですよ、感動…。子育てや仕事で忙しい二人なのに、愛…。イラストを注文する際、ポムポムプリンの前に岡村和義が候補に挙がっていたらしく、難しそうすぎて笑った。

去年柴田聡子のライブに一緒に行った友人からイ・ランの『私が30代になった』を勧めてもらったら本欲しい欲求が高まり、解散後に文喫で『きれぎれのダイアリー』と柴田聡子特集の『ユリイカ』を買ってしまった。

もう一人の友人からは手紙をもらったのだが、「学生の時こんな風に思ってくれてたんだ」「今も大事に思ってくれてるんだ」というのが伝わってきてすごく嬉しかった。友達はなんでこんなに私の事を大事にしてくれるのか…人、心があるな~…。

 

5月18日

2年前に亡くなった知人、Nさんのお墓参りのために福島県に行ってきた。

Nさんは大学時代の先輩で、卒業後はほぼSNS上でしか交流がなく生前あまり話せなかったことを後悔していたのだが、友人が誘ってくれたおかげでまた挨拶ができて嬉しい。感謝です。

友人と遠出できるのも嬉しかった。6人で行って、中には初対面同士の人たちも居たが、私は全員顔見知りだったので「あの人とこの人が同じ画角に居る…」という感覚にもちょっとわくわくした。

道中で食べた桜焼肉と馬刺し、とても美味しかった…。

お墓参りの前に、Nさんのご親戚の家でご両親に挨拶した。この親にしてこの子あり、という感じの素敵な親御さんだった。

郷土料理のにしんの山椒漬けもご馳走になった。北の大地出身なのもあって「みがきにしん大好きです」と言ったら「若いのに珍しい」とお母さんが喜んでくれた。食い意地が張っていて良かった。いただいたお菓子もふわふわでチーズの塩気が効いていて美味だった。

Nさんは素晴らしい文章を書く人だというのは知っていたけど、絵も描いてたし編み物もしていたらしい。マルチクリエイターすぎる。『白鯨』を原書で読もうとしたこともあるらしく、やりたいことがたくさんあるチャレンジ精神に溢れた人だったことが分かった。親御さんが「来る人来る人話すことが違う」と言っていて、多面的な魅力があったんだなあと思う。

今回尋ねたメンバーはNさんの悪友という感じで、親御さんにはとても言えないようなエピソードが印象に残っていたので、途中何を話すか言葉に詰まっていて笑った。親には言えないような話の方が人間味があり人となりが表れて、その人の本質ぽいような気がする。

同行した友人が、お父さんの仕草や後ろ姿がNさんにそっくりでびっくりしていた。誰かが死んでも血が繋がった人が生きているということは、死んだ人の一部がちょっと生きているということかもしれない。

ご親戚の家でテーブルを囲んでる時に足元に煙が見えた気がしたがすぐに見えなくなってしまって、蚊取り線香とかだったのか気のせいなのか、霊障的なものだったのかよくわからない。

帰りのレンタカーでBUMP OF CHICKENの『ユグドラシル』と暗黒大陸じゃがたらの『南蛮渡来』と『Creep』を聞いて帰った。Nさんの色々やってみる精神に影響を受けたのか、友人たちが新しいことをやるよう焚きつけ合っていて面白かった。新しいことやりたいっすね~

 

5月19日

大学生時代の後輩とランチ。向こうから頻繁に遊びに誘ってくれる数少ない後輩。ありがたい。彼女に子供ができてから頻度は少なくなったが変わらず遊んでくれて嬉しい。

蒲田のユルディズ トルコ レストランというお店でケバブを食べた。私はイスケンデルセットという牛肉のケバブにヨーグルトがのったメニューを頼んだ。酸味が効いててめちゃ美味しかった。

最近聞いているポッドキャストの情報交換や『ブチ抜く吉田』が面白い、みたいな話をして、帰りがけに誕生日プレゼントをもらった。ありがたや。結婚や出産によりライフステージが変わっても気にかけてくれる友人が居るって奇跡ですよ。

 

5月22日~24日

5月22日の朝、実家で母方の祖母が倒れてその日のうちに息を引き取った。92歳だったのでいつ亡くなってもおかしくなかったのだが、あまりにも急だったので呆然としてしまった。人って死ぬよね。6月頭の妹の結婚式にも参列予定だったので本当に残念。

翌日、葬儀の予定が立ったので、地元に帰ることにした。焦っていたのか、はじめ当日飛行機で帰るつもりだったのに翌日の便を取っていた。なぜかこういう間違いを何度も繰り返している。移動という概念が嫌い。そっちがこっち来いよと思ってしまう。山の方から来てくれればいいのに。まあ移動に対する怨念はいいとして…

妹たちと同じ便を取り直して地元に帰り、まっすぐ葬儀場に向かった。久しぶりに従姉妹たちと会えた。優秀すぎるために海外留学とかしていてなかなか会えていなかったので、元気そうで嬉しい。各自が持ち寄ったお土産を食べながら談笑した。通りもんといちごを一緒に食べると美味しい。

祖母と同居していた母と叔母は、実感が湧かないのか、または無理をしていたのかもしれないが普段通り愉快だった。母は最近行った円山動物園岡村和義のライブの話をしてくれた。叔母もマネキンをポムポムプリンの髪型(髪型?)に切る美容師のインスタを見せてくれた。気丈を通り越している。

祖母の思い出話になり、近年はボケが凄かったらしく、「睡眠薬とビールを飲んで食パンでテーブルを拭いていた」という話を聞いた時は「レーズンで密造酒を作りココナッツサブレを干していた入院中のASKAを彷彿とさせるな」と思った。全然違いますが…

棺桶の中の祖母の頬に触ってみた。皮膚って感じがした。カラダ、器、だったもの、って感じだった。英語で死体をbodyって言うのなんかわかる。既に入れ物になっていた。

伯父が「これを棺に入れて」と言って、30年以上前に祖父がインドに行った際購入したブッダガヤの菩提樹の葉っぱを手渡してくれた。これを入れることで死後いいところに行けるらしい。物持ち良いってレベルじゃねえ。黄色くて葉脈がしっかりしていて、固めのレースみたいな質感だった。

 

実家に帰ったら祖母の痕跡がありすぎて、もう居ないのが信じられなくてシュンとした。祖母の部屋に置かれたホワイトボードに妹の結婚式までのカウントダウンが書かれていて、「6月3日まであと12日!」で止まっていた😞

妹たちとセイコーマートに行って食べたいものを買い、食べながらSONGSの岡村和義回を観た。あのロン良すぎないか?

母が「シニアには似合わないからあんたが着なされ」と岡村和義ツアーグッズのスウェットをくれた。やった~

 

翌日、葬儀に参列。家族葬だったのだが、ただでさえ少ない男衆が仕事があったり海外に居たりで来られなくて参列者9人中8人が女性だった。ものすごい女系家族

葬式の一連の流れって今自分が何をやってるのかよくわからないのだが、亡骸に挨拶をしたり肉体を燃やしたり骨を拾ったりすることが、人が他者の死を受容する過程で必要だと誰かが判断したのだろうなと思ってとりあえずやってみる。火葬後に骨箱を持たせてもらったら、さっきまで冷たくてずっしりしていた大きな祖母がぽかぽかして軽くなって腕の中に納まっていて不思議だった。あと線香の名前が「やさしい時間」だったんですけど、葬儀用品のネーミングセンスって独特ですよね。

どういう流れだったのか謎だが、帰り道に車の中で母と妹2が『くそったれの世界』を合唱していて笑った。

家族と後飾りを設置したりお供え物の果物を食べたり祖母や母が若い頃の写真を見返したりして落ち着いた後、母、叔母、妹たちとラッキーピエロに行ってやけ食いした。どうしてもあんかけ焼きそばが食べたいとなって2店舗行ってみたのだがどちらでも品切れ。舐めてる?悲しい。

オムライス、焼きカレー、スノーバーガー、カツ丼、チャイニーズチキン、オニオンフライ、ラキポテにシェイクやジュースを各々注文。3日分くらいのカロリーがあるよ。終盤は全員フードファイターの表情になっていた。喪失感は胃の膨満感で埋めろ!

帰宅し腹ごなししてから近所の温泉施設でチルした。入浴後、瓶の牛乳を一気飲みした後フルーツ牛乳も飲んでしまった。飲まないとやっていられない(乳製品を)。

 

祖母との思い出を振り返ってみた。祖母は引くほどカロリーとコストが高くてめちゃくちゃ美味しい料理を作る人だった。小さい頃は分厚く柔らかいヒレステーキにトラピストバターをのせたやつとか、卵黄とハーゲンダッツのバニラ味をシェイクしたミルクセーキとかを作ってもらっていた。太るわ!

私は幼少期から食い意地が張っていたため、美味しいものを食べさせてくれる祖母に非常によくなつきおばあちゃん子だったのを覚えている。祖母にとっても私が初めての女の子の孫だったので、ずっとかわいがってもらっていた。

普通老化すると爪もボロボロになりがちらしいが、祖母は美意識が高くネイルケアを徹底していて亡くなるまで爪がすごく綺麗だった。ふくよかで手が大きくてハグが力強かった。

実感が湧かないが寂しい気がする。大学生の時に亡くなった父方の祖父に対してもいまだに実感を抱けていないので、死の実感とか一生湧かないのかもしれない。

祖母の法名は「エコー」と入っているかっこいいものだったのだが、法名を付ける際に祖母がどんな人だったかを聞かれ、母と叔母は「太陽みたいな人だった」と答えたそう。娘たちに太陽みたいと思われるなんてめっちゃいい人生じゃん。自分は死んだ時に周りの人にどんな人だったと言われるかな?ドブみたいとか言われないように気をつけて生きなければ。逆にドブだったらかっこいいか。

正直ボケてからの記憶の方が鮮明なのでどんな人だったか思い出しがたいのだが、上品で浮世離れした感じの人だった気がする。概念的にはマリー・アントワネットみたいな?貴族みたいな?ゆったりして大らかな魅力があった。たしかに太陽のようにいつも見守ってくれるような安心感があった気がする。これからもそうな気がする。祖母が大事にしてくれたので私も自分のことを大事にしようと思います。ばあたんありがとう。

それじゃまたね キスします

 

5月25日

朝、地元から東京へ帰る際、推してるアイドルと同じ飛行機に乗ることになり大層動揺した。祖母が引き合わせてくれたのだろうか?心臓に悪い。

一度帰宅し、荷物を整理してから急いで国立新美術館に向かう。

前売券を買って楽しみにしていた『マティス 自由なフォルム』展の会期終了前日だった。

昨年東京都美術館でやっていたマティス展は主に絵画、今回は主に切り絵や立体作品を展示していた。

マティスは晩年下半身が不自由になり、キャンバスに向き合うのが難しくなったために切り絵を始めたらしいのだが、それまで抱えていた「形はよく描けたけど色がな〜…」「色は良いんだけど形がな〜…」といった悩みが切り絵により解決でき、やっとやりたいことが叶った!というドラマティックな人生が紹介されていた。同じ作家でも切り口が違うと展示の見どころも異なるな〜と勉強になった。

かわいくて色鮮やかでシンプルな線なのに何が描いてあるのかがわかるのがすごい!と思った。昨年のマティス展でも紹介されていた、マティスが建設に関わったヴァンスのロザリオ礼拝堂の再現ブースがあったのもポイント高かった。いつか現地に行ってみたい。

マティスの作品には海藻モチーフが多い、というのも面白発見だった。国立科学博物館で和食展を観た時も思ったけど、海藻ってかわいいんだよね。マティスも同じように「かわいいな〜」と思って描いていたのかと思うとほっこりする。

LINE CUBE SHIBUYAへ移動し、『KIRINJI 25th ANNIVERSARY LIVE』を鑑賞。

絶対に行きたかったのでこのためにKIRINJIのファンクラブに入ったのだが、入りたてにも関わらずとんでもなく良席で浮足立ってしまい、何人かの友人にLINEしてしまった。お騒がせしました。

一部の弾き語りとアコースティックセットはどの曲もアレンジが良く、「この曲ってこんないい曲だったっけ…」とぽーっとしてしまった。

『Drifter』が始まったらそこかしこからすすり泣きが聞こえてきて、もらい泣きしているうちに声を出して泣きそうになった。集団ヒステリー。みんな愛の歌に背突かれて与えるより多く奪ってしまうんだ…この街の空の下あなたがいるかぎり僕は逃げない…😭

幕間映像として高樹が公園で休憩する「何も起こらない映像」が流れていて、多くのファンが「ずっと見てられる〜」と言っていて笑った。

二部のバンドセットではめちゃ踊った。途中からはホーンセクションも入って非常にゴージャスだった。

『朝焼けは雨のきざし』を久しぶりに聴いたら良すぎてかなり食らってしまった。堀込高樹のように偏屈そうな人間から放たれるストレートな愛の言葉、人をうろたえさせる力がある。

去年KIRINJIのライブを観てサポートの伊吹文裕氏と小田朋美氏最高だな…と思って今日もやはり最高だったんだけど、今日は『「あの娘は誰?」とか言わせたい』のMELRAW氏がかっこよすぎて、帰った後も思い出してはうっとりしてしまった。MELRAW氏…。

そして途中のMCで高樹と会話してしまった。会話というのは高樹が「もう1回休憩取ろうかな?2回も休憩したら前代未聞だよね」みたいなMCしてたので「無理しないで〜」と野次ったら「無理してないよ!そっちこそ無理してるんじゃないの!?」と返答してくれたことを指します。まさか返事がもらえるとは思わず。一生の思い出にします。

帰り際、客席に澤部渡氏を見つけました。素晴らしいライブだった。

 

5月30日

Zepp DiverCity小山田壮平バンドツアーを観た。

高校生の時一番聴いていたバンドがandymoriで、その頃一緒にライブに行っていた妹2とチケットを取って楽しみにしていた。お互い仕事終わりで各々のタイミングで入場したので観た場所は違ったが、終演後落ち合ったら二人ともエモい顔になっていた。

近年のソロ曲もかわいくて良いのだが、andymori時代の曲も結構やってくれて、『Life Is Party』『投げKISSをあげるよ』『すごい速さ』は特にグッときてしまった。泣いてしまう。メンバーが違うのでandymoriのライブとは趣が若干違うが、小山田壮平と藤原寛が隣合って演奏するのを見ていたらこみあげてくるものがあった。ギターの岡愛子さんもかっこよかった…。

MCで「高校生の姪っ子が今日初めてライブを観に来た」と言っていて、時の流れはすごい速さで進んでいて、小山田壮平も自分も年を取ったのだなと感じた。